映画SNSガッチと重複しますが、映画レビューを少々。
映画の舞台は、裁く側と裁かれる側が目まぐるしく入れ替わる市民革命時代のヨーロッパ(主にスペイン)のお話。
不条理なんて当たり前で、権力によって人生を塗り替えられていく様が、ゴヤがカンバスに色を重ねる姿とだぶる。
前半の銅版画の作業工程が映像で見れたのはすごく嬉しかった。
この作品でも、やはりナタリー・ポートマンの演技には迫力がある。
当時スペインで異端とされたユダヤ人の嫌疑をかけられ牢獄に入れられてしまう役どころを、実際にユダヤ系の彼女はどういった気持ちで演じていたのだろうか、気になるところです。
作品全体で言えば、異端審問の異常性を見事に映像化した良作だと思うし、退屈する展開もなかったわりに、今ひとつ面白かったと全力で言えないのはきっと、
ゴヤがあまりにも傍観者過ぎたからかな、とも。
タイトル通りと言えばそうだし、客観的史実をエンターテイメントにするのは難しいだろうし、
そんなの狙ってさえいないかもしれないけど、
映画に対してエンターテイメント性を求めてしまう質の私としてはこの評価になってしまうなぁ。
あと、この一連の悲劇がゴヤの画風に与えた影響が分かるように、エンドロールでゴヤの絵を見せてくれる演出は良かった。
後は美術館に行くなり自分の目で確かめてね、というスタンス。
ゴヤの作品を観に行く前にこの映画を観ると、理解が深まるのかもしれないですね。
ああ、美術館行きたくなってきた・・!
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